落著おちつき)” の例文
そして、それだけ、彼には、伯父の落著おちつきのない性行が——それが自分に最も多く伝わっているらしい所の——苦々しく思われるのであった。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ファッツ平気で象のしかばねっており、落著おちつき払ってちょっと突いたらこの通り象はからだが大きいが造作もなく殺さるるものをと言う、国王叡感斜めならず、即時彼を元帥とされた
そして其の上でまあ其処そこいらが落著おちつきどころときまつたわけであつた。
復讐 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
心の落著おちつき無くなりて
時々その暗い表情のどこかに、曇天どんてんうすのような明るみがしかけることもあるが、それはすぐに消えて、また、元の落著おちつきのない暗さにもどってしまう。
木乃伊 (新字新仮名) / 中島敦(著)