茶々ちゃちゃ)” の例文
三条のつぼねだの、お茶々ちゃちゃだの、松の丸たちが、もうさっきから、膳部やしとねの用意をもうけ、秀吉の姿を待っているのに、その秀吉は
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、もうよかろうと姐御を引っぱり出して来てみると、かんじんの金は、名のない男というみょうな茶々ちゃちゃがはいって元も子もないという——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
かれの想いの中にも、折々には、茶々ちゃちゃの顔が、ふとうかんだり、於通の横顔が、ふっと描かれたり、寧子や老母のことも、おもい出された。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やいッ! うぬあいってえなんだって人の仕事に茶々ちゃちゃを入れるんだ? こらッ、こいつッウ!……てッ、てめえのおかげで、れる刀もとれなかったじゃねえかッ! な、なんとか音を立てろいッ音を
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
長政とお市の方とのあいだにありと聞く四人の和子わこ。——そのうちの万寿まんじゅ茶々ちゃちゃにちがいないと直感したからである。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして万寿は同役の小川伝四郎がしかと背にいつけて立ったので、木下藤吉郎も、上の姫の茶々ちゃちゃに背をむけて
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、右のたもとへ、次女の初姫がすがると、ひだりの膝へも、長女の茶々ちゃちゃが、だまって、しがみついた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中の姫もそろそろ居眠りをし始め、ただ姉姫の茶々ちゃちゃのみが、さすがに母の想いを察し、この夜の宴が何であるかをも知って、いじらしい程、えた面をしていた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十六になる長女の茶々ちゃちゃをかしらに女の子のみ三人を連れたお市御料人は、それこそ、王昭君おうしょうくんの遠きへ行く日にも似るかなしき綾羅錦繍りょうらきんしゅうにつつまれて、五彩の傘輿さんよは列をなして北越の山をこえ
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
茶々ちゃちゃは、ことし十八。二の姫は十四、末姫すえひめは十二歳になる。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)