若鰡わかいな)” の例文
雨上りの夜の天地は墨色すみいろの中にたっぷり水気をとかして、つやっぽい涼味りょうみ潤沢じゅんたくだった。しおになった前屈まえかがみの櫓台の周囲にときどき右往左往する若鰡わかいなの背が星明りにひらめく。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)