苗床びょうしょう)” の例文
罪悪の苗床びょうしょうからその素因をのぞいてゆかなければ——と考えられ、そのためには、市政、わけて社会政策に、心をくだかずにいられない。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
現在の安定が、もしそういう人間の堕ち入り易い病弊びょうへい産褥さんじょくのようなものであったら、安定は、やがて次の苦悩の芽をかくしている苗床びょうしょうほかならない。——善信は、慄然りつぜんとした。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしていつか其処そこは、陰謀の苗床びょうしょうとなっていた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)