花袋かたい)” の例文
花袋かたい先生が近頃『女子文壇』で「女というものは男子からみると到底疑問である」と言われたのは御説おせつとおりであろうと存じますが
産屋物語 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
どんな道をたどれば花袋かたいになり、春月になれるものだろうか、写真屋のような小説がいいのだそうだ。あるものをあるがままに、おかしな世の中なり。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
が、その「生意気である」所以ゆえん畢竟ひっきょう信輔の独歩や花袋かたいを読んでいることに外ならなかった。又彼等の或ものは——それは左の眼に義眼をした国語漢文の教師だった。
その軸物におりおり眼をやって、さかずきをふくむ。酒を飲んでくつろげばくつろぐほど胸元むなもとがはだけて、そこから胸毛をのぞかせる。それぐらい花袋かたいふとっているのである。
(田山花袋かたいなども、初期の作品は極めて主観的で、詩的精神の強いものであった。)
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
「中年の恋と云えば、花袋かたいという人は面白い人だね。」
メフィスト (新字新仮名) / 小山清(著)