よもぎ)” の例文
その何ともいえぬ気味わるさ、何ともいえぬ口の苦さは、よもぎをどっさり食べたあとのようだった。
可愛い女 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
よもぎすすきを分けて、私の歩いて行く後方うしろから娘はゆったりゆったりと、馬を打たせて来るのです。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
米国でも硝子蛇ちょっと触れば数片にけ散りまた合して全身となるといい、それより転じて真の蛇断れた時よもぎのような草で自らぎ合すという(オエン『老兎および巫蠱篇オールド・ラビット・ゼ・ヴーズー』)
以前は餅草即ちよもぎ以外に、この草を餅に入れるのは普通であり、またこの方が色もく、においも高いといったものであったが、関東の人たちはそれを知らず、西でも追々おいおいに用いる者がなくなった。
現に伯耆ほうきの中津の奥などでは、ソウジモノといえば山で採る野菜の総称になっていて、その中には独活うど・山の芋・蕨・ゼンマイ・ふき・タラの芽・ムカゴ・スズノコからよもぎ・ハハコまでが含まれていて
食料名彙 (新字新仮名) / 柳田国男(著)