良禽りょうきん)” の例文
「そこだ、呂布君。良禽りょうきんは木を選んでむという。日月はうつりやすし。空しく青春の時を過すのは愚かではないか」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あなたの意はうごきますまい。良禽りょうきんは樹をえらぶ。——当然です。それがしとともに呉にきてください」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
良禽りょうきんは木をえらぶ。そんなことは訊くだけ野暮ではありませんか。皇叔、あなたも蜀を喰いつぶしに来たのではないでしょう。蜀中にじんを施しにきたのではありませんか」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なぜ、御身ほどな勇士が楊奉の如き、暗愚な人物を、主と仰いでおられるのか、人生は百年に足らず、汚名は千載を待つも取返しはつきませんぞ。良禽りょうきんは木を選んで棲むというのに」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)