腹拵はらごしら)” の例文
士卒は腰兵糧を解いて黙々それに向い始めたが、口に噛む間の私語ささやきがだいぶ聞える。この山中で時ならぬ腹拵はらごしらえは何のためだろうと怪しみ合うのであった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
娘父子を送って、その庵室に招じ入れられた出雲守頼門は、此処ここ腹拵はらごしらえもし、髪形も直し、袷を借りて、漸く人間らしくなったことは言う迄もありません。
それだけにまた、その腹を据えている態度が、逆に武松にとっては「こいつ一ト筋縄では泥を吐くまい」とする腹拵はらごしらえを、いちばい強めさせていたものだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「まず腹拵はらごしらえだ」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)