脱去ぬけ)” の例文
奥の方に入られて仕舞ふて茫然ぼんやりと土間に突立つたまゝうちの螢に脱去ぬけられし如き思ひをなしけるが、是非なく声をあげて復案内を乞ふに、口ある人の有りや無しや薄寒き大寺の岑閑しんかん
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
奥の方に入られてしもうて茫然ぼんやりと土間に突っ立ったままうちほたる脱去ぬけられしごとき思いをなしけるが、是非なく声をあげてまた案内を乞うに、口ある人のありやなしや薄寒き大寺の岑閑しんかん
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)