ほしいま)” の例文
友達のようになった顧客先の細君連と、芝居へ入ったり浅草辺をぶらついたりして調子づいていたが、それもまたぱったり火の消えたようにひまになって、ほしいままに浪費した金の行方ゆくえも目にみえずに
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
づれば幸ひにその金力にりて勢を得、こびを買ひて、一時の慾をほしいままにし、其処そこには楽むとも知らず楽み、苦むとも知らず苦みつつ宮がむなし色香いろかおぼれて、内にはかかる美きものを手活ていけの花となが
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)