考事かんがえごと)” の例文
自然くだらぬ考事かんがえごとなどがおこって、ついには何かに襲われるといったような事がある、もしこの場合に、謡曲うたいの好きな人なら、それをうなるとか、詩吟しぎん口吟くちずさむとか、清元きよもとをやるとか、何か気をまぎらして
死神 (新字新仮名) / 岡崎雪声(著)
「政夫さん、済まない。私さっきほんとに考事かんがえごとしていました。私つくづく考えて情なくなったの。わたしはどうして政夫さんよか年が多いんでしょう。私は十七だと言うんだもの、ほんとに情なくなるわ……」
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)