すると、ややあってから、一方のまくをサッとはらって、羽柴筑前守秀吉はしばちくぜんのかみひでよし、ズカズカと大股おおまたにあるいてきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこを越えて、越前へはいった信長軍の主力は、丹羽にわ五郎左衛門長秀ながひでと、羽柴筑前守秀吉はしばちくぜんのかみひでよし
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ときしも、羽柴筑前守秀吉はしばちくぜんのかみひでよしは、北国ほっこく柴田権六しばたごんろくをうつ小手しらべに、南海なんかいゆう滝川一益たきがわかずます桑名くわなしろを、エイヤ、エイヤ、血けむり石火矢いしびやで、めぬいているまッさいちゅうなのである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一月ひとつきともたたない間に、信長の臣、羽柴筑前守秀吉はしばちくぜんのかみひでよしに亡ぼされ、土民の手にかかって、その首は、人通りの多い都の辻に、幾日もさらし物にされていたと聞く——亡父光秀以下の一族のためにも、朝暮