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羽交
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はがい
ふりがな文庫
“
羽交
(
はがい
)” の例文
血死期のように叫ぶと、同じ鎖に繋がれている、二十四、五のだぶだぶのルパシュカを着た男を、とつぜん、後から
羽交
(
はがい
)
締めにして
地底獣国
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
肩を斜めに前へ落すと、
袖
(
そで
)
の上へ、
腕
(
かいな
)
が
辷
(
すべ
)
つた、……月が投げたるダリヤの
大輪
(
おおりん
)
、
白々
(
しろじろ
)
と、揺れながら
戯
(
たわむ
)
れかゝる、
羽交
(
はがい
)
の下を、軽く手に受け、
清
(
すず
)
しい目を、
熟
(
じっ
)
と合はせて
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
不意にかれはうしろから
羽交
(
はがい
)
じめにされた。——いそいでかれはふりほどこうとした。——が、それは、かれの自分でつけた立廻りの手のように器用にそうは行かなかった。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
この歌でも、鴨の
羽交
(
はがい
)
に霜が置くというのは現実の細かい写実といおうよりは一つの「感」で運んでいるが、その「感」は
空漠
(
くうばく
)
たるものでなしに、人間の観察が本となっている点に強みがある。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
彼はもう一度雌に寄りそいなおしてから、首を
羽交
(
はがい
)
の間に埋めた。
白い翼
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
……鳥見役、網差、両名立ちあいにてお鶴医者
滋賀石庵
(
しがせきあん
)
が
羽交
(
はがい
)
の下をあらため見たところ、胸もと、……心の臓のまうえあたりに二の字なりの
深創
(
しんそう
)
がある。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
羽
常用漢字
小2
部首:⽻
6画
交
常用漢字
小2
部首:⼇
6画
“羽交”で始まる語句
羽交締
羽交責