編輯長へんしゅうちょう)” の例文
編輯長へんしゅうちょうへは内々で割戻わりもどしの礼金も渡してしまい、部下の記者は待合に連れて来て酒肴しゅこう振舞ふるまい芸者をあてがう腹である。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「それじゃあ、今夜は、大いに文学でも談じてみますか。僕は、あなたの作品には前から好意を感じていたのですがね、どうも、編輯長へんしゅうちょうがねえ、保守的でねえ。」
渡り鳥 (新字新仮名) / 太宰治(著)
すでに天方伯あまがたはくの秘書官たりしが、余が免官の官報に出でしを見て、なにがし新聞紙の編輯長へんしゅうちょうに説きて、余を社の通信員となし、伯林ベルリンに留まりて政治学芸のことなどを報道せしむることとなしつ。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「そうね。私も、実は感心していたの。シゲ子にいつもかいてやっている漫画、つい私まで噴き出してしまう。やってみたら、どう? 私の社の編輯長へんしゅうちょうに、たのんでみてあげてもいいわ」
人間失格 (新字新仮名) / 太宰治(著)