絶望的ぜつぼうてき)” の例文
絶望的ぜつぼうてきおどろきにうたれたのは、とっさ、竹童ちくどうの感じたところで、いわゆる、一なんってまた一難、もうとてものがれるすべはないものと覚悟かくごをきめた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いけないんですの。」夫人ふじん絶望的ぜつぼうてきつぶやいた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
しかし、この二行にすぎぬ文字の予言よげんは、武田伊那丸たけだいなまるにとって、いな、その帷幕いばくの人すべてにとって、なんと絶望的ぜつぼうてきな、そして戦慄せんりつすべき予言よげんではあるまいか。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
絶望的ぜつぼうてきな声と一しょに、思わず陣貝じんがいをとり落とすと、井楼せいろうやぐらの下の岩へ、貝はみじんとなってくだけた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)