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ぜつぼうてき
と
絶望的な
驚きにうたれたのは、とっさ、
竹童の感じたところで、いわゆる、一
難去ってまた一難、もうとてものがれる
術はないものと
覚悟をきめた。
「いけないんですの。」
夫人は
絶望的に
呟いた。
しかし、この二行にすぎぬ文字の
予言は、
武田伊那丸にとって、
否、その
帷幕の人すべてにとって、なんと
絶望的な、そして
戦慄すべき
予言ではあるまいか。
絶望的な声と一しょに、思わず
陣貝をとり落とすと、
井楼やぐらの下の岩へ、貝はみじんとなってくだけた。