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紺糸
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こんいと
ふりがな文庫
“
紺糸
(
こんいと
)” の例文
八五郎が持つて來たのは、
紺糸
(
こんいと
)
で
柄卷
(
つかまき
)
をした、手頃の脇差が一と
口
(
ふり
)
。血だらけの
拔刄
(
ぬきみ
)
のまゝで、その血が
膠
(
にかは
)
のやうに
粘
(
ねば
)
り附いてゐるのも無氣味です。
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
紺糸
(
こんいと
)
の
黒皮
(
くろかわ
)
のよろい、白地きんらんの陣羽織、かぶとは鹿の
角
(
つの
)
の前立ち、それを背投げに負い、
頭
(
かしら
)
は、なお癒えぬ戦傷を、まるで
白頭巾
(
しろずきん
)
のように、頬へかけて、巻いていた。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前の広庭には高い物干し竿が
幾列
(
いくなら
)
びにも順序よく並んでいて、朝から
紺糸
(
こんいと
)
がずらりとそこに干しつらねられる。糸を
繰
(
く
)
る
座繰
(
ざぐ
)
りの音が
驟雨
(
しゅうう
)
のようにあっちこっちからにぎやかに聞こえる。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
受取つて見ると、成程手頃な脇差で、
溝泥
(
どぶどろ
)
で滅茶々々になつて居りますが、
鍔
(
つば
)
から上は大して汚れず、
紺糸
(
こんいと
)
を卷いた柄には、ベツトリ血がこびり附いて居ります。
銭形平次捕物控:099 お篠姉妹
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
紺
常用漢字
中学
部首:⽷
11画
糸
常用漢字
小1
部首:⽷
6画
“紺糸”で始まる語句
紺糸縅
紺糸縅鐵小脾