紫葳のうぜんかずら)” の例文
かの女は「闇中あんちゅう金屑かなくずを踏む」といふ東洋の哲人の綺麗きれいな詩句を思ひ出し、秘密で高踏的な気持ちで、粒々の花のまきものを踏み越した。そして葉の緻密ちみつ紫葳のうぜんかずらのアーチを抜けた。
夏の夜の夢 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)