“のうぜんかずら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
凌霄花57.1%
凌宵花14.3%
凌霄14.3%
紫葳14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
美女桜の花は濃紅、松葉菊の花は淡紅、ロベリヤはすみれよりも小さな花で紫、他の一種は苧環草おだまきそうに似た花と葉で、花の色は凌霄花のうぜんかずらの如き樺色である。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
白い花をつけた高い木には、凌宵花のうぜんかずらのような黄いろな蔓草の花が星の落ちてきてかかったように咲いていた。花の梢から宮殿の簷が見えていた。
荷花公主 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
鯖名といふ温泉にて雨にふられ、旅のうさ今更覚えけるを、廓ありと聞きて、宿屋の庭下駄に知らぬ闇路やみじ踏んで、凌霄のうぜんかずら咲く門に這入りける。
(新字旧仮名) / 正岡子規(著)
かの女は「闇中あんちゅう金屑かなくずを踏む」といふ東洋の哲人の綺麗きれいな詩句を思ひ出し、秘密で高踏的な気持ちで、粒々の花のまきものを踏み越した。そして葉の緻密ちみつ紫葳のうぜんかずらのアーチを抜けた。
夏の夜の夢 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)