“素莚”の読み方と例文
読み方割合
すむしろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
少しも先へと、扈従の人々は、また牛車の上の素莚すむしろへ、帝と皇后をお乗せして部落を立った。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふたりりで、この御堂の素莚すむしろに坐っておると、ふたりが祝言いたした清洲きよす時代の——あの弓之衆長屋が思い出されるではないか。そなたのはじらう容子ようす、また、良人を迎える心からな容子。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新しい素莚すむしろのうえに、又八道心は寒々した首を垂れた。もううずらの啼き声も耳になかった。ただまわりの人々ががやがやいっているのを、壁を隔てて聞くように、遠い気持で意識するだけだった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)