“素枯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すが90.9%
すがれ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
部屋ごとの花瓶に素枯すがれた花は、このあいだに女中が取り捨ててしまう。二階三階の真鍮しんちゅうの手すりも、この間に下男ボオイが磨くらしい。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ただ彼には、もう若い感激は素枯すがれている。それと、情熱だけでものに当ることは、昔から嫌いなたちでもある。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
刈取らずに置いた蕎麦の素枯すがれに月の光の沈んだ有様を見ると、楽しい記憶おもいでが母親の胸の中を往ったり来たりせずにはおりません。母親は夢のようにながめて幾度か深い歎息ためいきを吐きました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)