紅玉石ルビー)” の例文
ちょうどそれが懐中時計の機械の中の紅玉石ルビーを象徴するように、赤い豆電気が三ヵ所から、寝床ベッドに向ってぼんやりした光を投げている。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夢みるまなこ、霞む眉、象牙ぞうげを刻んだような鼻に、紅玉石ルビーの唇、現代娘の愛くるしさと清々すがすがしさが、この娘の顔に溢れて居ります。
古銭の謎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
紅玉石ルビーか真珠でも一杯に刺繍ぬいとってあるらしく、それが今きらめいて煙々と瓔珞ようらくの虹を放っている光耀こうようさ!
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
見廻すと、向うの薬屋の軒に、真赤な電灯が大きい紅玉石ルビーのように、血紅くれないの光を夜の街に投げて居ります。
青い眼鏡 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
紅玉石ルビーの如く赤く、焔の如く燃える黒子ほくろですが、あまりそれは小さかったので、山北道子風に首筋で髪を束ねて居れば気が付くわけではなく、夕陽にでも照されなければ
葬送行進曲 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「それから私の耳の後ろの紅玉石ルビーのような黒子ほくろにも——」
葬送行進曲 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)