“紅勘”の読み方と例文
読み方割合
べにかん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
町の中ほどには紅勘べにかん(小間物屋)があってこれも有名でした。紅勘で思い出すが、その頃、かね三味線さみせん長唄ながうたを歌って流して歩いた紅勘というものがあって評判でありました。
後に紅勘べにかん踊りなどに転化して、芝居の所作事にまでされた街頭の名物で、頭巾を冠り、くくり袴を穿き、目かつらをつけ、三味線を弾き、胸と膝に括り付けた太鼓とかねを叩いて踊り歩いたものです。
蒲団ふとんの不潔なるを恐れて外泊するものはまた罰金を取る約束なれば一同帰り来つてここに一夜を明し翌朝朝飯すませし頃折好く表に紅勘べにかんが三味線弾いて来りしを呼上げ祝儀を奮発していろいろの芸を
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)