“糸革袋”の読み方と例文
読み方割合
いとかわぶくろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人は少しあわて気味で、炭俵や糸革袋いとかわぶくろが結びつけられた背負梯子しょいばしごへ両手を突っ込んで、いま登り来るという武家の眼をのがれるもののように、やしろの裏路を黄金沢こがねざわの方へ切れてしまいます。
与八は、そのグロテスクな石像を作事小屋に担ぎ込んで、後ろの糸革袋いとかわぶくろの中から取り出したのが金槌かなづち石鑿いしのみです。それを両手に持って、小屋の中へ立てかけた悪女の女人像をじっと見据えました。
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)