精魂しょうこん)” の例文
すなわち、宮中深きところに、秘勅の壇を構え、昼夜、護摩ごまを焚き、あぶら汗もりんりと、顔も焔にして、誦経ずきょう、振鈴の精魂しょうこんこめた修法僧は
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「少年九歳の頃の精魂しょうこんは失ったのか。われも人間の精魂ぞ。汝も人間の精魂ぞ。如何いかなればかくの如き腕の差があるのかを考えて見たか。——明日の夜こそは、十本勝負をしよう」
剣の四君子:04 高橋泥舟 (新字新仮名) / 吉川英治(著)