精進湖しょうじこ)” の例文
王岳は千六百尺、ふもと精進湖しょうじこたたえ、東北の空に聳えている。その西には釈迦岳が八坂峠を抱擁しながら峨ヶ岳の峰に続いている。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
キャラコさんは、ひろい茅原かやはらのなかに点綴てんてつするアメリカ村の赤瓦あかがわらを眺めながら、精進湖しょうじこまでつづく坦々たんたんたるドライヴ・ウェイをゆっくりと歩いていた。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
全然同じ話というわけではないが、これとほぼ似通うた話は、郭公かっこうについても語られている。たとえば甲州の精進湖しょうじこに近い山村では、カッコウ鳥はもと悪い継母ままははであった。
精進湖しょうじこの岸まで来た時にも、まだ春の夜は明けなかった。岸辺を北の方へ歩いて行った。藤丸の渓流を渡る時、彼は苦心して裾をまくった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)