“篠屋”の読み方と例文
読み方割合
しのや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうして、森や草叢くさむら木立こだちの姿が、朝日の底からあざやかに浮き出して来るに従って、煙の立ち昇る篠屋しのやからは木を打つ音やさざめく人声が聞えて来た。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
手の休まった兵士たちは、血の流れた草の上で角力すもうをとった。神庫ほくらの裏の篠屋しのやでは、狩猟を終った饗宴きょうえんの準備のために、速成の鹿の漬物つけものが作られていた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
奴国なこくの宮は、山のふもと篠屋しのやの中から騒ぎ始めた。そうして、この騒ぎは宮を横切って、宮殿の中へ這入はいって行くと、夜になって、神庫ほくらの前の庭園で盛大な饗宴となって変って来た。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)