筋違見附すじかいみつけ)” の例文
かけさせて、小銭がないから今晩戌刻いつつ(八時)の鐘が鳴ったら、筋違見附すじかいみつけの側まで、簪を持って金を受取りに来てくれと言った——
明治六年筋違見附すじかいみつけを取壊してその石材を以て造った眼鏡橋めがねばしはそれと同じような形の浅草橋あさくさばしと共に、今日は皆鉄橋にけ替えられてしまった。
講武所へ向った所で旧筋違見附すじかいみつけの廃石利用、明治六年に出来たがすこぶる堅固で、後年とり壊しに骨が折れたという話。
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)
三人は右を見、左を見して、本郷ほんごう森川宿から神田明神かんだみょうじんの横手に添い、筋違見附すじかいみつけへと取って、復興最中の町にはいった。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「通新石町から筋違見附すじかいみつけ、浅草御門、橋を越して外神田あたりまで、町役人を一々当ってみたが、この一と月の間に越して来た者は二十二三軒はあります」
彼は右を見、左を見して、新規にかかった石造りの目鏡橋めがねばしを渡った。筋違見附すじかいみつけももうない。その辺は広小路ひろこうじに変わって、柳原やなぎわらの土手につづく青々とした柳の色が往時を語り顔に彼の目に映った。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「側へ寄って首実験をしようと思ったが、どうしてもつらを見せねえ、後ろから覗くようにすると、いきなり筋違見附すじかいみつけの方へスタスタと駆け出すじゃありませんか」