“笹叢”の読み方と例文
読み方割合
ささむら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なぜといえば、いましも金明泉のほとりから、笹叢ささむらをガサガサ分けてでてきたのは、呂宋兵衛るそんべえ残党ざんとうどころか、大せつな大せつな鞍馬くらま竹童ちくどう
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
竹童、龍太郎から受けとった狼煙筒のろしづつを、ふところにおさめると、またまえにでてきた笹叢ささむらのなかへ、ガサガサとくまの子のように姿をかくしてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼が耳にしたのは、離亭はなれの裏かと思われる辺に聞えた二度目の異様な響きで、とたんに、鹿のような迅い影が、築山の笹叢ささむらを突いてどこかへ消えていたのである。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)