童蒙どうもう)” の例文
「ついそこの、眼の前の露地口に、看板の板が打ってございました。——童蒙どうもう道場、てならいしなん、無可むかと」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
銀子は目に涙をためていたが、栗栖もちょっとてこずるくらい童蒙どうもうな表情をしていた。彼女は何ということなし、ただ人気のない遠いところへ行きたいような気が漠然ばくぜんとしていた。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
苦行くぎやうしていのればいづれの神仏も感応かんおうある事を童蒙どうもうしめす。
駄荷馬などの砂煙をあげて行く道路を隔てて谷の向うに青い山がそそり立ち、うねった道路の果てにも、どっしりした山が威圧するように重なり合って見え、童蒙どうもうな表情をしていた。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ことの師、慈円僧正は、わしにとっても、幼少からの恩師。思えば、お手をとって童蒙どうもうのお導きをして賜うたころから今日まで、うれいご心配のみかけて、その後のご報恩とては何一つしていなかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お鈴という古くからいる、童蒙どうもうな顔の体のずんぐりした小女の、ちょくちょく物を持ち出して行くのにも困ったが、むやみといりもしないものを買いこむのが好きな新参のお光にもあきれた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
童蒙どうもう道場
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)