“立脚地”の読み方と例文
読み方割合
りっきゃくち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はそれから文芸に対する自己の立脚地りっきゃくちかためるため、堅めるというより新らしく建設するために、文芸とは全くえんのない書物を読み始めました。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こんな時にどうすれば詩的な立脚地りっきゃくちに帰れるかと云えば、おのれの感じ、そのものを、おのが前にえつけて、その感じから一歩退しりぞいて有体ありていに落ちついて
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし自から不幸の輪廓をえがいてこのんでそのうち起臥きがするのは、自から烏有うゆうの山水を刻画こくがして壺中こちゅう天地てんちに歓喜すると、その芸術的の立脚地りっきゃくちを得たる点において全く等しいと云わねばならぬ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)