突差とっさ)” の例文
支配人が賊を追って行くと、岩見はその宝石を見つけ、悪心を起し、突差とっさに敷物の下かなんかにかくした、そうして仮死をよそおうていたに違いありません。
琥珀のパイプ (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
と、突差とっさに白い白い電灯の光がパッと眼に当った。私たちはくらくらした。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
妻は突差とっさの恐怖に襲われ、父親を呼びながら家の中へ逃げ込んだ。その様子に父も驚いて外へ出て見て、初て兄の生きてかえって来たことを確めた。親子が家の中へ入って見ると、妻はいなかった。
噂ばなし (新字新仮名) / 永井荷風(著)