稲扱いねこき)” の例文
旧字:稻扱
穀蔵に広い二階だての物置小屋、——其階下したが土間になつてゐて、稲扱いねこきの日には、二十人近くの男女が口から出放題の戯談じようだんやら唄やらで賑つたものだ。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
オツベルはやっと覚悟かくごをきめて、稲扱いねこき器械の前に出て、象に話をしようとしたが、そのとき象が、とてもきれいな、うぐいすみたいないい声で、こんな文句をったのだ。
オツベルと象 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ただその中でも特に稲扱いねこき用器の改良が、大きな影響を与えたというのみである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
農業民謡で、稲扱いねこきなどをしながら大勢して歌うこともまた可能である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
稲扱いねこき器械の六台もえつけて、のんのんのんのんのんのんと、大そろしない音をたててやっている。
オツベルと象 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)