称讃しょうさん)” の例文
旧字:稱讃
もしまたこれらの原則に叛くものあらば、歴史から抹殺する勇気を持てよ、いかにそれが今日まで高い称讃しょうさんを博したものであっても。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
これが、あの、「伯父ワーニャ」を演じて日本一と称讃しょうさんせられた上杉新介氏の正体か。なってないじゃないか。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
偉人として、人の称讃しょうさんを受けるくらいのことはそうむずかしいことではないとはっきり感じたのだった。それ以来清逸の自分に対する評価はかわることがない。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
ト今まで黙想していた文三が突然無茶苦茶に高笑を做出しだしたが、勿論もちろん秋毫すこし可笑おかしそうでは無かッた。シカシ少年の議論家は称讃しょうさんされたのかと思ッたと見えて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ドイツの強みが神学に基づいていると云うのは、ここにある。秀麿はこう云う意味で、ハルナックの人物を称讃しょうさんしている。子爵にも手紙の趣意はおおよそみ込めた。
かのように (新字新仮名) / 森鴎外(著)
彼等は『理想の良人おっと』を愛読するだろう。俺はまだ読んではいないが、既に大学の教授が称讃しょうさんしているというくらいなら、彼等もきっと愛読して、どこの家庭にも一つずつ備えてあるに違いない……
幸福な家庭 (新字新仮名) / 魯迅(著)
立ってくにゃりとからだを曲げて一座の称讃しょうさんを浴びれば、番頭はどさくさまぎれに、おのれの妻子の宅にせっせと主人の金を持ち運び、長松は朝から晩まで台所をうろつき
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)