秘結ひけつ)” の例文
百日の秘結ひけつをいっぺんに下したような朗々寛々たる身構えになり、肥えたあか髭面ひげづらもにわかに活気を帯びてきた。
虚弱で下剤の利かぬ体質だったために秘結ひけつに苦しんでいましたが、灌腸かんちょうを嫌うので治療の仕様もなくて、どの医者も手を引きましたので、父は家人に話して、長襦袢に穴をあけて
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
浣腸かんちょうすれども通ぜず。これも昨日の分を怠りしため秘結ひけつせしと見えたり。進退きわまりなさけなくなる。再び浣腸す。通じあり。痛けれどうれし。この二仕事にて一時間以上を費す。終る時三時。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)