祭日まつりび)” の例文
丁度祭日まつりびであつたその夕方に、綺麗によそほはれた街の幼い男女なんによは並木の間々あひだ/\で鬼ごつこや何やと幾団いくだんにもなつて遊んで居ました。
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
知らぬものだと先ず仰っしゃられた。祭日まつりびの取締りを寛大にしたら、遊惰の風にれようなどという心配は、他国の民なら知らぬこと、信長の領民にはないとお怒りなされた
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日頃罪人一同の喰物くいものの頭をね、あまつさねんに二度か三度のお祭日まつりび娑婆飯しゃばめしをくれません、余り無慈悲な扱いゆえ、三人の総代を立てゝ只管ひたすら歎願たんがんいたしました処が、聞入れないのみか
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
祭日まつりびの太皷の囃子はやし厭はしく、わが外の世をば隙見すきみしぬ。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
この灰色の、海に近い町の祭日まつりびである。
蝋人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)