はえ)” の例文
沙を掘りはえを砕いていたが、其のじゃりじゃりと云う沙を掘る音と、どっかんどかんと云う石を砕く音は、波の音とともに神経を掻きまぜた。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
六七人の人夫の一群が前方むこうから来た。はえ破片かけらを運んでいる人夫であるから、邪魔になってはいけないと思ったので、権兵衛は体を片寄せて往こうとした。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その巌から人の脊丈せだけを三ついだ位離れた海の中に、満潮みちしおの時には隠れて、干潮ひしおの時に黒犬の頭のような頭だけだすはえがあるが、そこにきれい女子おなごが、雪のような白い胸を出しているじゃないか
宇賀長者物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「大変だ、ドド根のはえじゃ」
真紅な帆の帆前船 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)