硬張こはゞ)” の例文
恐ろしい失望とも屈辱ともつかぬ感情が、三人の顏を硬張こはゞらせます。白痴にうまうまと擔がれた馬鹿々々しさを、つく/″\感じ入つたのでせう。
其れをまぎらすために目を開いて何か唱歌でも歌はうと試みたが、のど硬張こはゞつて声が出無かつた。と、突然低い静かな声で
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
『アハハハ。ぢや此次にしませう、此次に、此次には屹度ですよ、屹度かけまよ。』と變に硬張こはゞつた聲で云つて、物凄く「アッハハ。」と笑つたが
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「われも、中学を続けときや、卒業なれたのに、惜しいことをしたのう。半途でやめて、恥ぢばつかりいて……」と、如何にも残念さうに言ひ放つて、顔を硬張こはゞらせ
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)