破隙やぶれ)” の例文
裾の方は屏風びょうぶで囲われ、かみの方の障子の破隙やぶれから吹き込む夜風は、油の尽きかかッた行燈の火をあおッている。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「や、かえるな。いよいよ去るな」と、善吉はね起きて障子を開けようとして、「またお梅にでもめッけられちゃア外見きまりが悪いな」と、障子の破隙やぶれからしばらく覗いて
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)