破戸漢ごろつき)” の例文
「やかましい、黙れ、乃公おいらがこの破戸漢ごろつきたたき殺すんだ」岡本を睨みつけて、「野郎、出て往きやがれ、ぐずぐずすると敲き殺すぞ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
旗本の次男だということだが、あんな人間は寄せつけないがよろしい! それにお前の兄も嫌いだ。お前の兄ながら弁太という男は、どうしてヤクザの破戸漢ごろつきだよ。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
船艙では、破戸漢ごろつきどもが首をのばしてガルールの帰りを待っていたが、間もなく大濤おおなみがどっと船の横っ腹へ打衝ぶっつかって船体がはげしく揺れだすと、帆檣ほばしらがギイギイ鳴る。綱具が軋む。
博徒ばくちうちでも破戸漢ごろつきでも、喧嘩に対手あいてえらばないけれど、親類附合は大嫌いだ。」
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
渾名あだなチューブッフことガルール、渾名フィヌイユことマロン、渾名クールドースことシャブルトンという名うての悪漢と、その手下の破戸漢ごろつき七人、都合十人の荒くれ男が、密閉された
して、池上いけがみへ往ってて、破戸漢ごろつき因縁いんねんをつけられたのだが、それを何かかんちがいしたものだろう、出入をさせなけりゃ、させてもらわなくてもいいや、何人だれがあんな処へ往ってやるものか
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「この破戸漢ごろつき、ふざけやがるな、ここをどこだと思ってるのだ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)