“石窖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いしぐら50.0%
いしむろ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうして、反絵が園を斜めに横切って、卑弥呼の石窖いしぐらを眺めて立った時、奴隷の蜥蜴とかげは一層曲りながら、石窖へ通る岩の上を歩いていった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
耶馬台やまと兵士つわものたちが彼らの宮へ帰ったとき、卑弥呼ひみこはひとり捕虜の宿舎にあてられる石窖いしぐらの中に入れられた。それは幸運な他国の旅人に与えられる耶馬台の国の習慣の一つであった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
広い高台の上に、琉球式の、石を畳んで白い漆喰を塗った大きな石窖いしむろのやうな墓が、彼方此方に点在して居た。雨上りの空気の透き徹った広い墓原には人影もなく寂しかった。
奥間巡査 (新字旧仮名) / 池宮城積宝(著)