知行所ちぎょうしょ)” の例文
近国の知行所ちぎょうしょあるじが立ってしばらく留守中の富武家とみたけけには、その夕方も、まだ、五百之進いおのしんのすがたは見えなかった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
百石取の安馬廻うままわりの家を相続しているにはいたが、お納戸なんど向きのお使番つかいばんという小忙こぜわしい役目にわれて、道中ばかりしていたので、桝小屋ますごやの小さな屋敷も金作という知行所ちぎょうしょ出の若党と
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「三左衛門。少し金子入用だが、知行所ちぎょうしょから取り立てる工夫はないか」
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)