“知行取”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちぎやうどり66.7%
ちぎょうと33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と言つて、かやうの事は下賤のすべき働きで、知行取ちぎやうどりは別にしなければならぬ仕事がある筈だ。あんな事が流行はやつては、家中かちゆうの風儀が悪くなるからといふので、その男はながいとまを取らせられた。
「さ……」と属官はつまつたやうな顔をして、知行の有無あるなしを一寸考へるらしい風だつた。それに何の無理があらう、考へでもしなければ思ひ出せない程、ちよつぴりした知行取ちぎやうどりだつたのだから。
知行取ちぎょうとりか乗り物にでも乗りそうな人柄に見えるのをよいとした時代もあったのである。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)