睨視げいし)” の例文
或は楽境を睥目へいもくし、或は苦界を睨視げいししたるものにして、是等大思想家の知り得たるところまでは確実なれども、なほ知り得べからざる不可覚界のひろさは、幾百万里程りていなるべきか。
各人心宮内の秘宮 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
議長の言なかばなるに、「議長」とよんで評議員席に起立したるは、平民週報主筆行徳秋香かうとくあきかなり、彼は先刻来憤怒の色を制して、松本を睨視げいししつゝありしが、今は最早もはや得堪へずして起ちたりしなり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)