眼福がんぷく)” の例文
丹泉はしきりに称讃してその鼎をためつすがめつ熟視し、手をもっておおいさをはかったり、ふところ紙に鼎の紋様をうつしたりして、こういう奇品に面した眼福がんぷくを喜び謝したりして帰った。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
建築の美を愛するほどの人は、この眼福がんぷくを生涯忘れることが出来ないでしょう。私たちはもう見ることが出来ないと考えた本葺の家のみが並ぶ町を、思いがけなくも眼のあたりに眺めるのです。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)