“真贄(しんし)” の例文
今日の作家が病はその情熱の欠乏に基づくところ多く、人間観に厳粛と真贄(しんし)とを今日の作家に見る能はざるもの、職(しよく)として之に因せずんばあらず。
情熱 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
見ることを得る外部は、見ることを得ざる内部を語り難し。盲目なる世眼を盲目なる儘に睨(にら)ましめて、真贄(しんし)なる霊剣を空際(くうさい)に撃つ雄士(ますらを)は、人間が感謝を払はずして恩沢を蒙(かう)むる神の如し。
人生に相渉るとは何の謂ぞ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
真贄(しんし)の隣に熱意なる者あり。人性の中に若(も)し「熱意」なる原素を取去らば、詩人といふ職業は今日の栄誉を荷(にな)ふこと能はざるべし。すべての情感の底に「熱意」あり。すべての事業の底に熱意あり。
熱意 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)