相距あいへだた)” の例文
竹中半兵衛の如き明臣があらざりせば、秀吉の運命はまさしく明智光秀と、そう相距あいへだたること遠からざる運命に落ちたに相違ない。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
アヽ降誕ト訃来ト五十四年ヲ隔ツトイヘドモソノ地相距あいへだたルコト百歩ニ過ギズ。コレガタメニ悲感更ニ深シ。浄几じょうき明水ヲ設ケ灯ヲ点ジ香ヲ破涕はていコレヲ記ス。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
両岸の絶壁は、相距あいへだたること、始めは十町内外、五、六町となり、一、二町となり、終に十間内外となる。その絶壁の頂は一様に平かなるに非ず。巌峰の連続にして、支渓おりおり単調を破る。
層雲峡より大雪山へ (新字新仮名) / 大町桂月(著)