目覚めさ)” の例文
旧字:目覺
譬えば夢を見る人が、夢の感じのあふれたために、の覚めるのと同じように、この生活の夢の感じの力で、己は死に目覚めさめるのか。(息絶えて死の足許あしもとに伏す。)
南向の小窓に雀の子の母鳥呼ぶ声しきりなり。梯子段にれやら昇りきたる足音聞付け目覚めさむれば老婆の蒟蒻取換へにきたりしにはあらで、唐桟縞とうざんじまのおめし半纏はんてん襟付えりつきあわせ前掛まえかけ締めたる八重なりけり。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
不思議におどろくと為れば目覚めさめぬ。覚むれば暁の夢なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)