目籠めご)” の例文
ある日彼は、おりおりこの村にやって来る顔馴染の肉屋が、近所の農家の前に目籠めごをおろして、肉を刻んでいるのを見た。その時は、ちょうど学校の帰りがけで、村の仲間たちと一緒だった。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ふるびたる鷹匠頭巾たかじょうずきん、ふかぶかとかぶり、こごえて赤うなりし両手さしのべて、浅き目籠めごふちを持ちたり。目籠には、常盤木ときわぎの葉、敷き重ねて、その上に時ならぬ菫花すみれの束を、愛らしく結びたるを載せたり。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)