百囀ももさえずり)” の例文
教室の硝子戸はちりにまみれて灰色にきたなくよごれているが、そこはちょうど日影がいろくさして、戸外ではすずめ百囀ももさえずりをしている。通りを荷車のきしる音がガタガタ聞こえた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
昼の雨は夜のみぞれとなって、あくれば校庭は一面の雪、早く来た生徒は雪達磨ゆきだるまをこしらえたり雪合戦ゆきがっせんをしたりしてさわいでいる。美しく晴れた軒には雀がやかましく百囀ももさえずりをしている。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)